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2004.06.30

勝ち組の負け犬

遅まきながら酒井順子『負け犬の遠吠え』(講談社)と小倉千加子『結婚の条件』(朝日新聞社)を読んだ。「負け犬」というネーミングが、実は「仕事は勝ち組」の確信犯的シングルが、より快適により快楽的に人生を送りたいために選んだ擬態であることは、酒井順子自身が記しているとおりだ。

小倉の本を読むと、事態はもっと深刻みたい。四大卒でキャリア志向の「負け犬」に対して、短大卒と中堅以下の四大卒(小倉は、学歴はほぼ日本社会の階層と並行しているという)で、強烈な結婚願望を持ちながら結婚相手の見つからない膨大な数の女性たちがいる。彼女らは「高学歴、高収入、家事・育児を分担してくれる」夫を求めるが、そんな男はおいそれといない。しかし親にパラサイトしていける彼女らは、男に求める要求を引き下げようとせず、結果、晩婚化・非婚化はどんどん進行する。

小倉はフェミニストの学者で、長いこと女子短大で教えていた。そこで接した女子学生たちの結婚と男性に対する考え方は、エゴ全開の究極の姿といってもいいくらい。「負け犬」が可愛く思えてくるほどだけれど、それが彼女らの親世代である僕らの拡大された自画像であることもまた苦い事実なのだ。(雄)

負け犬の遠吠え

結婚の条件

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コメント

おっしゃる通り。自分の人生、他人と比べて勝った負けたといっても不毛なだけですよね。ただ、酒井順子の本は読んでいただけると分かりますが、「勝ち犬」「負け犬」という言葉を反語的に、遊びというか擬態として使っており、自分たちは好きに生きたいんだから放っといてよ、というトーンで貫かれていることも確かです。

投稿: 雄 | 2004.07.01 13:14

この本は読んでいませんが、いわゆる「勝ち組」、「負け組」という表現は嫌いです。何かと比べることによってしか自分を確認できない貧しさを感じるからです。
勝ったって負けたっていいじゃない。自分の人生なんだからさ。人と比べることありません。

投稿: 青卯 | 2004.06.30 15:02

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