校長はなぜ死んだか
例えば、こんな想像をしてみる。
住宅ローンの完済はまだ先のことだし、
来年は息子の受験もある。
お金はいくらあっても足りないぐらいだ。
どんなに父兄にたたかれても
教育委員会に逆らったら
教職にはとどまれないだろう。
いったん辞職をしたら
教職には戻れないだろうし、
慣れない仕事探しをしなければならない。
大都市ならともかく、地方都市で
権力に逆らった人間を採用してくれる会社があるだろうか。
自分が失業したら、
家族は路頭に迷うことになる。
そんなとき、人はどんな行動がとれるだろう。
「長いものに巻かれる」。私ならそうする。
教育委員会に反旗をひるがえせば
世間から喝采は浴びるだろうが、
世間はその後の生活を保障してくれるわけではないからだ。
しかも75日たてば、人々はすべてを忘れてくれる。
本当は、校長は死ななくてもよかったのだ。
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