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2007.05.25

加川良「教訓I」に寄せて

過日、テレビ東京のフォーク特集で
加川良の「教訓I」を初めて聴いた。

加川は高田渡のマネージャーをしていたという。
高田の「自衛隊に入ろう」はよく知られているが、
当時、加川の「教訓I」は聴いたことがなかった。

「命はひとつ 人生は一回 だから命をすてないようにね
慌てるとついふらふらと お国のためなのといわれるとね
青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい」

こういう発想って好きだな。
1970年の歌だというが、今の時代にこそふさわしい歌だと思う。

僕はかつて、当時の大人たちはなぜ戦争に反対しなかったのだろう、と
ずっと不思議に思っていたけれど、今なら理解できる。

今は、職業右翼の存在がかすんでしまうほど、
人々が右傾化しているという。

戦争前の社会状況も今と同じで、大勢は戦争反対ではなく、
むしろ戦争ウェルカムな雰囲気だったに違いない。

ふと、笠原和夫「破滅の美学」(筑摩文庫)の
戦争について触れた一文を思い出した。

「捕虜が捕まり、明日あたり処刑がありそうだという晩は、
兵士たちは夕食も満足に咽喉を通らなくなる。
首切り役が自分に回ってこないか、という不安からである。
気の弱いものは、夜っぴて嘔吐するという」

現在はただの好々爺にしか見えないおじいちゃんたちの中にも、
実はこんな過酷な体験をしてきた人たちが結構たくさんいるのではないか・・・

所詮、戦争なんて、個人にとっては「愛国」とか「お国のため」とは無縁で、
殺すか殺されるかという切実で残酷な世界なのだ。

だから、
「青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい」

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