帚木蓬生「閉鎖病棟」新潮文庫
この作家の本を読むのは初めてだ。
読み始めて、なんだこれというのが第一印象。
精神科病棟の日常が、淡々と描かれているのだが、
読み進めていくと、どんどん引き込まれていく。
確かに殺人事件も起こるけれど、
ミステリアスでもなんでもなく、起こるべくして起こる事件だ。
人に対する思いやり、人と人との濃密な繋がり、
現代社会に失われつつあるものが、そこにはある。
精神科病棟の人々の営みが、
外の世界よりまっとうであることに感動する。
最後のシーンは、お約束なのかもしれないけれど、
やっぱり泣いてしまった。
・帚木蓬生「閉鎖病棟」 (新潮文庫)
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