2008.06.17

続・開成番長の勉強術

どうせ宣伝だとネタばれしているんだから、
もう一度宣伝してしまおう。

出版にともない、裏でメールが飛び交い、
仲間たちのブログが盛り上がっている。

周囲から、この著者が
いかに愛されているかがよく分かる。

本の内容もさることながら、
そういう著者の人柄って大事だよね。

ただ「開成番長の~」というネーミングってどうよ?
「開成落ちこぼれの勉強術」の方がよかったんじゃないか。

そのほうが売れるような気がする。
そんなわけないか・・・

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2008.06.16

繁田和貴「開成番長の勉強術」白夜書房

初台倫理委員会というおバカな飲み会がある。
その会のマドンナY姐さんからメールが入った。

ある本を私が運営するHP「ブック・ナビ」で
宣伝して欲しいという依頼だ。

元来、この手の本は好きではないが、
Y姐さんの依頼とあれば仕方がない。

というか、この著者の父親というのが、
40年来の友人H君(当然、繁田君ですが)なんですね。

今でも毎月第二金曜日に飲み会をやっています。
今年3月の経堂での飲み会では、著者ご本人にも会っています。

最近は「しゃれこうべ」優先なので、
あんまり行ってないけど・・・

まあ、僕らが通っていたころの開成は、
たいした学校じゃなかったですね。

卒業してから、都立高の学校群制度などがあって、
たいした学校になってしまったらしい。

同期の卒業生は350人居たけれど、
自分の母校に息子を送り込めたのほんの数えるほどだ。

繁田君はその内の数少ない一人というわけです。
負け惜しみを言えば、私は一人娘だったからなあ。

というわけで、この本は、勉強が好きな人も、嫌いな人も、
そして将来息子を開成に入学させたい人も、
そうでない人も、ぜひ購入してあげてね。


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2008.06.06

たまには充電もしなくちゃね

正直言って、充電する時間がない。
先々週の日曜日、近所の古本屋で数冊本を買った。

半村 良 晴れた空〈上〉 晴れた空〈中〉 晴れた空〈下〉 (集英社文庫)全3巻

森 達也 悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982))

岡崎京子 私は貴兄(あなた)のオモチャなの (フィールコミックスGOLD)

2週間たっても読む時間がない。
なんとか三分の一ほど読んだのが「悪役レスラー」。

僕らプロレス世代にとっては、
この本は面白いです。

当時、謎の多かったグレート東郷について鋭く迫るだけでなく、
懐かしいレスラーの名前もたくさん出てきます。

著者が一世代若いせいか、オルテガや、プリモ・カルネラや、
ユル・ブリンナーや、ボボ・ブラジルなんかは出てこない。

だけど、この本が岩波新書から出ているところが、
ちょっと不思議な感じがする。

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2008.05.11

帚木蓬生「閉鎖病棟」新潮文庫

この作家の本を読むのは初めてだ。
読み始めて、なんだこれというのが第一印象。

精神科病棟の日常が、淡々と描かれているのだが、
読み進めていくと、どんどん引き込まれていく。

確かに殺人事件も起こるけれど、
ミステリアスでもなんでもなく、起こるべくして起こる事件だ。

人に対する思いやり、人と人との濃密な繋がり、
現代社会に失われつつあるものが、そこにはある。

精神科病棟の人々の営みが、
外の世界よりまっとうであることに感動する。

最後のシーンは、お約束なのかもしれないけれど、
やっぱり泣いてしまった。

・帚木蓬生「閉鎖病棟」 (新潮文庫)

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2008.04.30

西原理恵子「ぼくんち」小学館

神保町を離れてから、
本屋に立ち寄る回数が減った。

購入する本も、ブックオフで買う
半身浴用の100円本「名探偵コナン」ばかりだ。

久しぶりに不忍通りの書店に立ち寄り、
目についた本を何冊か購入した。

桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」、帚木蓬生「閉鎖病棟」と
西原理恵子「ぼくんち 」の3冊だ。

「ぼくんち」は前から読みたかったのだが、
1冊1000円で全3巻は、「しゃれこうべ」のボトルに匹敵する。

今回購入したのは3巻分を一冊にまとめた普及版。
モノクロで判型も小さいけれど524円はお買い得だ。

読み始めたら止まらなくなって、
全114話を一気に読んだ。

泣いた。
不覚にも何度も泣いた。

そうして、普及版を購入したことを後悔した。
今度、必ずカラーの全3巻を買い直そう。

無人島に持って行く本は、この本に決めた。

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2008.04.06

人は「感情」から老化する

精神科医・和田秀樹の著書に、
人は『感情』から老化する―前頭葉の若さを保つ習慣術」(祥伝社新書)がある。

例えば、周囲から半分リタイアした人と見られながら、
4年間働き続けるのは結構きつい。

しかも年俸も大幅に下がる。
モチベーションは下がり、人は老化していくだろう。

そういう意味では、
継続雇用というのは残酷な制度だ。

転職して何が変わったか?
まず寝起きが良くなった(目覚まし要らず)。

10時出社なので余裕があり、
朝食を摂るようになった。

昼下がり、睡魔に襲われなくなり、
残業が苦にならなくなった。

もちろん、現実はいいことづくめではないけれど、
少なくとも、「感情」から老化することはないだろう。

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2008.03.25

青柳いづみこ「ボクたちクラシックつながり」文春新書

副題に「ピアニストが読む音楽マンガ」とあるように、
人気音楽マンガの主人公を引き合いにクラシックを解説。

引用されているマンガは、
「のだめカンタービレ」「ピアノの森」「神童」の3冊だ。

音楽に詳しい人には物足りないかもしれないが、
私のように素養のないものにとっては分かりやすい本だ。

「演奏は楽譜通りでなくてはいけない?」 
「指揮者でオケの鳴り方が違うのはなぜ?」など、
素朴な疑問に、人気マンガを手がかりに明快に答えてくれる。

そんなわけで(ん?)、昨夜は小林五月さんのピアノリサイタルに。
終演後、友人の作曲家、声楽家夫妻らと飲む。

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2008.03.11

続・貧困大国アメリカ

後で気がついたんだけど、堤未果さんは
最近、川田龍平さんと結婚したんだよね。

ま、本の内容とは関係ないけど・・・

この本で気になったキーワードは、
「貧困ビジネス」と「経済的な徴兵制」。

サブプライムローンもそうだけれど、
企業や国が弱者を食い物にしている。

特に悪辣なのは、大学の授業料や医療保険や市民権を餌に、
軍隊への入隊を勧めるリクルートシステムだ。

学校から貧困層の個人情報を入手し、
リクルーターがピンポイントで入隊を勧め、イラクへ。

あるいは、国際的な派遣会社が、貧困層をだまして
トラックの運転手や技術者をイラクに送り込む。

彼らは民間人だから、たとえ
自爆テロで死んでも戦死者には数えられない。

アメリカは「戦争」までも民営化しようとしている。
日本は、こんな国に追随しているのだから情けない。


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2008.03.10

堤 未果「ルポ 貧困大国アメリカ」 岩波新書

これ必読書です。目からうろこです。

ここに書かれているアメリカは、すでに
僕たちが知っている(つもりの)アメリカではありません。

そして、「新自由主義」「小さな政府」「民営化」といった
一見、耳障りのよい言葉が、いかに悪辣かわかります。

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2008.03.03

西原理恵子にはまる

気に入ると一人の作家を追い続ける癖がある。
一昨年、恩田陸ばかり読んでいたのは、そのためだ。

8割がた読んでいる作家と、
まったく読まない作家とのむらが大きい。

桜庭一樹がその一人になるかは不明だ。
2作目に「赤朽葉家の伝説」を読めば可能性はある。

昨日、近くの古本屋に走り、目に付いた
西原理恵子の本5冊すべてを購入してしまった。

「できるかな」シリーズ3冊、「サイバラ茸」
「はれた日は学校をやすんで」の5冊だ。

あの無茶無茶なスタイルは、彼女にとって
一種のコミニュケーショの手段なんだろう。クセになる。

「できるかな」シリーズでは本人の顔をさらしているけど、
先日の雑学まつりのときとはだいぶ印象が違う。

絶対、プチ整形ぐらいはしていると思う。
もちろん交流のある高須クリニックで・・・

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2008.02.29

半身浴の友

半身浴に本は不可欠だ。
いっときブックオフで購入した「名探偵コナン」が定番だった。

最近さすがに飽きてきて、桜庭一樹「少女には向かない職業」、
「谷崎潤一郎犯罪小説集」など活字にシフト。

次の候補を、桜庭一樹「赤×ピンク」にするか、
西原理恵子「まあじゃんほうろうき」にするか大いに悩んだ。

結局「まあじゃんほうろうき」が勝利したのは、
やはり雑学まつりでご本人とツーショットしたご縁が・・・

タイトルが途中から仮名に変わったのは、
さすがに気が引けたからか・・・

西原さんのマンガは本人を知らなくても面白いのだが、
本人にお会いしてしまうとまた別の面白さを楽しめる。

いわゆるギャップってやつですか・・・
上・下巻あるので、しばらくは楽しめそうだ。

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2008.02.28

遠くまで行くんだ・・・

一年浪人して駿台予備校に通っていたころ、
貸し本屋で白土三平の「忍者武芸帳」を借りて読んだ。

強く印象に残っているのが、影丸最後の言葉
「われらは遠くから来た そして遠くまで行くのだ・・・」

この言葉は気に入っていて、ひところ
ホームページのサブタイトル代わりに使用していた。

だが、これは白土のオリジナルではないということを
つい最近知ってしまった。

このテーマは、ネット上でも深く議論されていて、
ここではほぼ受け売りということでご勘弁を・・・

原典は、イタリア共産党の指導者パルミロ・トリアッティの
「われわれは遠くからきた そして、われわれは遠くまで行くのだ」

これを、「お楽しみはこれもなのじゃ 漫画の名セリフ」(角川書店版)
の脚注で、みなもと太郎が指摘しているのだという。

そしてその根拠として、羽仁五郎「明治維新史研究」(岩波書店)
のまえがきを挙げている。

さらに、さらに、吉本隆明「涙が涸れる」という詩の中に
下記のようなフレーズがあるという。

ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ

この詩は「吉本隆明全著作集1 定本詩集」にも収録、って
おい、おい、この本俺持ってるじゃん・・・

みなさん、かなりトリアッティの影響を受けているのだが、
この一節が掲載されたトリアッティ自身の著作は見つかっていない。

この件については「漫棚通信」に詳しい。

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2008.01.23

直木賞の気まぐれ

第138回直木賞は、桜庭一樹「私の男」に決まった。
前回の「赤朽葉家の伝説」に続く、連続ノミネートでの受賞だ。

ただし、ノミネートの回数はあまり関係がない。
過去に3回以上ノミネートされて、受賞していない作家も少なくない。

例えば、阿久悠(3回)や北方謙三(3回)がそうだし、
北村薫(5回)、伊坂幸太郎(5回)なんかもそうだ。

今回も、黒川博行、馳星周の二人は、いずれも
5回目のノミネートだったが受賞に至らなかった。

まあ、時代背景や選考委員との相性なんかもあるんだろうな。
私の推す恩田陸も、過去に2回ノミネートされているんだけど・・・

ところで、桜庭の経歴を読んでいて、
「少女には向かない職業」という作品が気になった。

タイトルはP・D・ジェイムズ「女には向かない職業」のもじりだけど、
なかなか面白そうなので、早速購入した。

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2008.01.22

梶山季之「族譜・李朝残影」岩波現代文庫

僕たちは戦争中、何が起きていたのかを、ほとんど知らない。
ましてや、朝鮮半島で何が起きていたかを・・・

朝鮮半島は、1910年8月の日韓併合条約から、
1945年9月のポツダム宣言まで、35年間も日本の統治が続いた。

35年間というのは想像以上に長い。
その間、おそらくいろいろなことがあったに違いない。

「族譜」は1940年の創氏改名を、
「李朝残影」は1919年の提岩里事件を取り上げた秀作だ。

これらの小説は、いずれも反戦小説である。
静かではあるが、戦争反対の強烈な意思が感じられる。

同時に、当時の軍人や役人の悪辣さも・・・
それは昔も今もまったく変わっていない。

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2008.01.17

「日本人が知らない松坂メジャー革命」朝日新書

いまの新書は軽いね。
一昔前は(って、三昔前か?)新書と言えば岩波新書だった。

それなりに重いテーマのものが多くて、
大げさに言えば、「さあ新書を読むぞ!」って覚悟が必要だった。

それに引き換え、いまの新書はひどいです。
ま、言ってみれば週刊誌のノリですね。見出しで買わせる・・・

特に朝日新書はひどいです。羊頭狗肉です。
前回の「酔眼のまち―ゴールデン街」もそうだったけど・・・

「日本人が知らない松坂メジャー革命」は、一口で言えば、
松坂登板ゲームのスコアブックを文章化したような本です。

というわけで、話はコロッと変わるけど、
昨日は神保町「しゃれこうべ」で誕生祝いをしていただいた。

音さん、さきちゃん、ありがとう・・・

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2007.12.25

文藝別冊「半村良 SF伝奇ロマンそして…」河出書房新社

5月ごろ購入して積ん読になっていた
文藝別冊「半村良」を読んだ。

こういう作家の特集本って結構買っちゃうほうだけど、
これまで「半村良」の特集が出なかったことが不思議なくらい。

未収録の小説や、エッセイが多数収録されているし、
清水義範と夢枕獏の語り下ろし対談が面白い。

ちょっと興ざめだったのは対談の中で、
「山藤章二」が「山藤幸二」になっていたこと。

活字時代ならいざしらず、
こういう似た文字ミスってどうよ。

いまはワープロ入力だから、変換ミスなら分かるけど。
もしかして編集者が「山藤章二」を知らなかったりして・・・

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2007.12.19

「若い荒地」の帰還

蔵書の中でも一番気に入っている本が帰ってきた。
1968年初版の田村隆一「若い荒地」(荒地出版社)がそれだ。

荒地グループ誕生の状況を自伝的に記したもので、
当時の若者たちの熱気が伝わってくるようだ。

この本は一時絶版になっていたので、
おすすめ本としていろいろな人に貸し出した。

最近読み直そうとして探したが
どうしても見つからない。

落ち込んでいたら、「競馬場で会おう!」で紹介した先輩が
思い出して持参してくれたのだ。謝謝

勘ぐれば、もうそれほど会う機会もないだろう、と
思ったのかもしれない。

そう考えると、
うれしいようなさびしいような複雑な気持ちだ。

人生もたそがれてくると、
一冊の本のやり取りで、そんな風に考えてしまう。

ちなみに、この本は今年2月、講談社文芸文庫から復刊した。
だけど、文庫で1470円は高くね?

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2007.12.14

スティーヴン・キング「第四解剖室」新潮文庫 

格別スティーヴン・キングが好きというわけではない。
たまたま題名に惹かれて手に取っただけだ。

本書には、ホラー、サスペンス、ファンタジーと、
幅広いジャンルにわたる作品が納められている。

表題作「第四解剖室」のほか、
「黒いスーツの男」
「愛するものはぜんぶさらいとられる」
「ジャック・ハミルトンの死」
「死の部屋にて」
「エルーリアの修道女」の全6篇。

なかでは、銃撃戦で撃たれ死にそうな仲間を連れて逃げ回る
ギャング3人組の話「ジャック・ハミルトンの死」が秀逸。

集中力が低下しているときには、
こういう短編集はおあつらえ向きだ。

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2007.12.11

たむらまさき・青山真治「酔眼のまち―ゴールデン街 1968年~1998年」朝日新書

本書は映画カメラマン・たむらまさきの語りを、
映画監督で小説家でもある青山真治が聞き書きしたもの。

たむらは岩波映画から、小川プロの「三里塚」シリーズを経て
「修羅雪姫」「竜馬暗殺」「さらば愛しき大地」などを撮るにいたる。

「ゴールデン街ハローワーク」説を唱え、
この時代の映画製作の裏側を生々しく回顧する。

だから、話の縦糸はあくまで映画であり、
ゴールデン街は横糸に過ぎない。

その意味では「酔眼のまち―ゴールデン街」という書名には、
ちょっと首をかしげざるを得ない。

まあ、「ジュテ」のともちゃんや、「黄金時代」の佐々木さんなど
懐かしい名前も登場するので、特に許す。

「黄金時代」にはそれほど通ったわけじゃないけど、
アマゾンに行く前の佐々木さんとマージャンをした記憶がある。

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2007.10.24

植島啓司「偶然のチカラ」集英社新書

宗教人類学者の書いた本ということで、
ある程度期待して読んだが、結果はペケ。

占い、確率、宗教と、話にとりとめがなく、
最後は「すべてはなるようになる」ではなあ・・・

どうも話にとりとめがないと思っていたら、あとがきに
「朝日カルチャセンターの講義をまとめた」とある。

最近、やたら新書が増えたけれど、
軽いというか、内容が薄いものが多くなった気がする。

「すべてはなるようになる」というと一見肯定的だが、
裏を返せば「すべてはなるようにしかならない」ということか。

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2007.09.12

おひとりさまの老後

新聞広告でちょっと気になる本を見つけた。
上野千鶴子「おひとりさまの老後」(法研)がそれだ。

そうか、そうか、上野千鶴子もこんな本を書くようになったか
という妙な感慨がある(買っちゃいないが・・・)。

3年ほど前に三田誠広が「団塊老人」(新潮新書)を出したときもそうだが、同世代にはあまり老人ものを書いてほしくないなという気持ちがある。

人はなぜそれほど老いを意識したがるのだろう。

私などはまだ歯も目も足腰も丈夫なせいか、
定年という外圧がなければ、それほど意識はしない。

かといって、ひところはやった
「青春とは人生の或る期間を言うのではなく 心の様相を言うのだ」
で始まる、サミュエル・ウルマンの「青春の詩」を持ち出そうという気もない。

いたって自然体で生きている、つもりだけれど・・・

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2007.09.03

鮎川信夫・大岡信・北川冬彦「戦後代表詩選」思潮社

学生のころは結構、詩を読んだ。
立原道造から入って、後半は「荒地」グループの詩が多かった。

このアンソロジーは、副題に「 鮎川信夫から飯島耕一」とあるように、
トップバッターは鮎川信夫の「繫船ホテルの朝の歌」。

この詩を読むたびに、
中・高時代からの友人であるY君を思い出す。

20代のころ、突然呼び出されて酒を飲んだ。

いま女と別れてきた。別れ際に
鮎川信夫詩集の「繫船ホテルの朝の歌」のページを破いて
相手に手渡してきたのだという。不良である。

彼はいま定年を機に一年限定で
ニューヨーク独り暮らしを敢行している。

いつまでたっても不良である。
この件ついては、「不良老年のNY独り暮らし 」を参照されたい。

ところで、この詩集の巻末には、
鮎川信夫急逝の直前に行われた著者3人の座談会が掲載されている。

大岡信が「最近の詩人は詩を作るばかりで、
他者の作品を評論する人がいない」と嘆いている。

鮎川信夫亡き後は、
本当に大岡信ぐらいしか見当たらないのは残念だ。

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2007.08.27

西村寿行の死

作家の西村寿行が23日、肝不全のため亡くなった。

「君よ憤怒の河を渉れ」など、
「ハードロマン」と呼ばれる大胆な暴力描写で人気を博した。

森村誠一、半村良らとともに「三村」と呼ばれるなど、
昭和40~50年代を代表する人気作家だった。

デビュー当時は、社会派ミステリー作家というイメージが強く、
公害の告発や医療業界の暗部を暴くような作品が多かったように思う。

「瀬戸内殺人海流」(1973年)、「安楽死」 (1974年)、
「屍海峡」 (1974年)、「蒼き海の伝説」 (1975年)など興味深く読んだ。

1974年ごろ、生島治郎から冒険小説を勧められ、
「君よ憤怒の河を渉れ」を書いてから、違う方向に行ってしまった。 合掌

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2007.08.09

小野俊太郎「モスラの精神史」講談社現代新書

映画には疎いほうなので、
この本を手にとって初めて知ったことがたくさんある。

この映画には「発光妖精とモスラ」という原作があったこと。
著者は中村真一郎、福永武彦、堀田善衛の3人であること。

主人公の新聞記者・福田善一郎の名前は、
3人の名前を組み合わせたものであること。等々

まだ、プロローグしか読んでいないので、
これ以上のことは書けない。おい、おい!

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2007.07.03

古書店街の醍醐味

昼休みに神保町の街を歩いていたら、
古本屋の100円均一の棚に面白そうな本を見つけた。

カレル・ヴァン・ウォルフレン「日本/権力構造の謎」上・下(ハヤカワ文庫)がそれだ。
1990年に刊行された本らしいが、当時どの程度話題になったのか記憶にない。

まだ、目次をぱらぱらと眺めた程度だが、
もっと多くの人に読まれてもよさそうな本だ。

ただ、こういう本が100円均一の棚に並んでいるところに
いまの日本の状況を反映しているのかもしれない。

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2007.02.23

梶山季之「せどり男爵数奇譚」ちくま文庫

梶山といえば「黒の試走車」や「李朝残影」などが有名だが、
わたしは「ある秘書官の死」「大統領の殺し屋」といった作品が好きだ。

ノンフィクションを評価する人がいる一方、
「真相は小説でしか書けない」という見方もある。

「大統領の殺し屋」では、末尾に
「この作品は、すべて架空の物語です。しかし、もし事実の部分があるとしたら、
筆者が何らかの形で報復されるでしょう。念のため」と追記されている。
なんだか思わせぶりだ。

そんな梶山作品の中で、「せどり男爵数奇譚」は、
古本をめぐる6つの出来事を、ミステリー仕立てにしたちょっと異色の作品だ。

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2007.01.15

門倉貴史「ワーキングプア」宝島社新書

14日(日)のNHK18時10分「海外ネット」で、
フランスのワーキングプアの特集をしていた。

これは対岸の火事ではなく、
我が国でも結構大変なことになっているらしい。

「らしい」というのは、
この本を読むまでは、あまり実態を知らなかったからだ。

今の日本は、私たちが20代、30代を過ごした日本とは、
まったく別の国になってしまった。

本書掲載の次の発言には、ちょっとショックを受けた。

「格差社会がもっと広がって欲しいと思ってますね。
自分はこれ以上、上にあがることができないから。
自分と同じ位置に大勢の人が落ちてくればいいな、と。
そういう世の中を望んでいる」(飲食店勤務・アルバイト・32歳)

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2006.11.28

積んどく読書

通勤時間が短くて本が読めないなどと言いつつ(ホントは飲み会が多い)、
本屋に行くとついつい買ってしまう。

今月購入した本は、
新書だけでも下記の6冊・・・

 香山リカ「<じぶん>を愛するということ」講談社現代新書
 加藤 徹「貝と羊の中国人」新潮新書
 大塚英志+ササキバラ・ゴウ「教養としての<まんが・アニメ>」講談社現代新書
 読売新聞校閲部「日本語『日めくり』一日一語 第3集」中公新書ラクレ
 和田秀樹「人は『感情』から老化する」祥伝社新書
 鈴木 透「性と暴力のアメリカ」中公新書

この中では、「貝と羊の中国人」が意外に面白い。
殷の文化を「貝の文化」、周の文化を「羊の文化」
という切り口で、現代中国のルーツを探っていく。

一方の、「性と暴力のアメリカ」は、
副題に「理念先行国家の矛盾と苦悶」とあるように
建国当時から抱えている矛盾に焦点を当てる。

いずれも、まだ読みかけだというのに、
今日は今日で下記の2冊を買ってしまった。

 高橋義人「グリム童話の世界」岩波新書
 小田嶋隆「テレビ標本箱」中公新書ラクレ

「テレビ標本箱」は、半身浴をしながら
風呂の中で読むのに適していそうだ・・・

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2006.11.15

恩田陸「夜の底は柔らかな幻」

1979年に「異邦人」で彗星のごとくデビューし、
1984年に「夜の底は柔らかな幻」を最後に引退した久保田早紀の本名は久米小百合だ。

だからどうしたと聞かれると、
口ごもってしまうので聞かないでほしい。

要は『オール読物』9月号から連載が始まった
恩田陸の「夜の底は柔らかな幻」の話をしたかったのだ。

この小説は隔月連載なので忘れないようにしないと。
さっき本屋をのぞいたら、ありました11月号が・・・
もちろん買いましたけど。

恩田はオマージュの名手と言われているが、
今回は久保田早紀ですか・・・

恩田には「三月は深き紅の淵を」「麦の海に沈む果実」という作品があるので、
「夜の底は柔らかな幻」という題名がオリジナルといわれても違和感はない。
むしろ歌の題名である方が違和感がありそうだ。

今回は、「最近雑誌を買わなくなった」という書き出しで、
嵐山光三郎「昭和出版残侠伝」(筑摩書房)の紹介をしようとしていたのだが、本日は『オール読物』『週刊アサヒ芸能 50周年特別記念号』『SF Japan 秋号』と一日で三冊も雑誌を購入してしまった。

ところで、恩田は『SF Japan 秋号』で、吸血鬼小説「愚かな薔薇」の連載をはじめたが、これはまだWikipediaには載っていない。でも季刊雑誌だから忘れちゃうだろうな。すでに「冬号」も出ているけれど買わない。「秋号」は恩田陸特集号だからね・・・

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2006.10.04

植草一秀「ウエクサ・レポート 2006年を規定するファクター」市井文学

海外旅行から帰ってきて「あれっ」と思ったことがある。
久しぶりにネットを見ていたら
「植草教授逮捕」というニュースが散見されたからだ。

ネット上での植草氏に対する評価は
完全に二つに分かれている。

当方はどちらの意見にも組みしないが、
もし初めの逮捕が「冤罪」であるならば、
当人が狙われているということだから、
その後の行動には慎重の上にも慎重さが必要だっただろうと思うだけだ。

この件に関しては、ひとつの見識として
宮崎学の言葉を紹介しておこう。
【私はこの国のメディアおよびメディア関係者が、他人の「道義」を云々できるほど高潔であるとは思えない。】

それは別として、植草の「ウエクサ・レポート」の評価が高い。
Amazonでは在庫がなく、
販価1890円(税込み)のものがユーズド価格4698円よりとなっている。

市井文学のHPで、同書の「はじめに」の部分を読むことが出来る。
同時に植草のコラムもチェックしておきたい。

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2006.09.19

三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」文芸春秋

悪名高き?アリタリア航空は、
約30分遅れで午後2時にローマ空港を出発した。

朝食は午前9時だというのに、
機内食が出たのは午後4時過ぎだ。

食事が終わると、
日本時間では午後11時過ぎだから、もう寝てくださいね、
とばかりに照明が落ちる。

前日、バール(Bar)でしこたま赤ワインを飲んで
熟睡しているだけに、そんなに早く眠れないよ~

そんなわけで、友人から借りた
直木賞決定発表の『オール読物』を読むことにした。

この号から恩田陸が
「夜の底は柔らかな幻」の連載(隔月)を始めている。面白い。

まだまだ時間があるので、次に
三浦しをん「まほろ駅前多田便利軒」に取り掛かった。

なかなかいける。これは抜粋版だから、
帰ったら単行本を買おう!

久々にゆっくりと湯船に浸かりながら、
単行本を堪能した。

石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」みたいに、
しばらくは「便利屋シリーズ」でいけるかもしれない。

疲れていたこともあって、今回は
森絵都「風に舞いあがるビニールシート」はパスした。

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2006.09.07

加賀乙彦「悪魔のささやき」集英社新書

ヨン様ブームが一段落したら、
今度は「ハンカチ王子」だという。

亀田たたきや、坂東真砂子たたきにしても、
根は同じなんだろう。

好き嫌いは別にして、
みんながみんな、一斉に同じ行動に走るというのが怖い。

「人は意識と無意識の間の、ふわふわした心理状態にあるときに、
犯罪を犯したり、自殺をしようとしたり、
扇動されて一斉に同じ行動に走ってしまったりする」

その実行への後押しをするのが、
「悪魔のささやき」なのだという。

そして、日本人はとりわけ
この「悪魔のささやき」に弱いらしい。

「和」を重んじ、
「個」が育たないという国民性。

別に誰かに扇動されなくても、
ムードに流されて一斉に同じ行動に走ってしまう。怖い。

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2006.08.31

有森 隆「闇の系譜-ヤクザ資本主義の主役たち」講談社+α文庫

折りしも今週発売の「週刊新潮」が
「楽天・三木谷社長のXデー」という記事を掲載。
ネット上でもいくつかの関連記事が流れている。

そんな中、タイミングよく出版されたのが
有森 隆「闇の系譜-ヤクザ資本主義の主役たち」。

腰巻にある、
「ホリエモン、村上から三木谷、宮内義彦……闇社会の舞台裏を人間関係を通じて徹底レポート!日本経済の“ワル”たち!!」という惹句にコロリ。

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2006.08.30

筒井康隆「日本以外全部沈没」角川文庫

asahi.comのbook欄に
面白いエピソードが紹介されている。

この作品は、1973年、
小松左京「日本沈没」のヒットを祝うパーティー席上での
ジョークから生まれた。

タイトルを星新一が考案し、
小松左京の了解を得て筒井康隆が執筆したパロディで、
翌年の星雲賞日本短編部門を受賞している。

それだけならまだしも、今回の映画『日本沈没』の公開に便乗して、
映画『日本以外全部沈没』も
9月2日(土)からシネセゾン渋谷でレイトショーが始まる。

『日本以外全部沈没』公式サイト:
http://www.all-chinbotsu.com/

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2006.07.19

内田樹ほか「9条どうでしょう」毎日新聞社

友人の書評に触発されて、
「9条どうでしょう」を読んだ。

4人の書き手のうち
内田樹のものが一番ユニークだ。

憲法9条と自衛隊は、
ともにアメリカの世界戦略から生まれたものだから、
アメリカ的には、何の矛盾もなく両立する、という。

しかし、矛盾が無いことを認めることは、
わが国がアメリカの属国だということを認めることになる。

そこで、属国であることを認めたくない日本国民は、
憲法9条を守り自衛隊を解体しようとする「護憲派」と、
自衛隊を強化し憲法9条を削除しようという「改憲派」に分裂したのだ、という。

だけど、
「牛肉を買え」「ハイハイ」
「基地移転費用を肩代わりしろ」「ハイハイ」
という政府の対応を見ていると「属国」そのものではないか。

アメリカから「憲法を改正して軍隊を創設しろ」と言われるまでは、
当分、憲法はこのままでいいんじゃないか・・・

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2006.06.28

100円本漁りの楽しみ

自宅の近所に一軒の古本屋がある。
近くにBook Off もあるけれど、従来型の古本屋の方が好きだ。
Book Off はあまりにも整然としていて親しみがわかない。

古本屋での楽しみのひとつは、
100円本の中から掘り出し物を見つけることだ。

神保町の古本屋の100円本は、おおむねガラクタばかりだけれど、
地元の古本屋は結構面白そうな本が並んでいる。

出版された当時、気にはなっていたが
買うほどでもないという本がそこそこある。

今回、購入したのは以下の5冊だ。
 
 安原顕「ふざけんな!」図書新聞 1600円
 いしいひさいち「いしいひさいちの経済外論」 780円
 ナンシー関「何が何だか」世界文化社 1000円 
 青木雄二「ゼニと世直し」大和書房 1200円
 現代情報ネットワーク「お客にいえない業界のヒソヒソ話」青春出版社 476円
 

しめて5056円の本が、たったの500円。もうかった、もうかった!
ホントは、ほかのところで、結構、無駄遣いしてるんだけどね。
だけど、あと45冊100円本が買える計算になる。そんなに、読めるのか?

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恩田陸「チョコレートコスモス」毎日新聞社

信号待ちしていたら、本屋の店先に
最近話題の「500円DVD」が並んでいた。

そんな中「欲望という名の電車」という題名が
目に飛び込んできた。

前回、「現代詩手帖」は買わなかったが、
今回はソッコーで購入した。

恩田陸「チョコレートコスモス」に出てきた
舞台劇「欲望という名の電車」の印象が強烈だったからだ。

最近、面白い本に出会えないとお嘆きの諸兄に、
恩田陸「チョコレートコスモス」(毎日新聞社)、おすすめです。

恩田陸作品の中では、
「麦の海に沈む果実」が好き、
いや「夜のピクニック」の方がいい、などと
いろいろ意見は別れるけれど、
僕は「黒と茶の幻想」が結構好きだ。

でも「チョコレートコスモス」は別格かもしれない。

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2006.06.27

詩のちから

最近、生活に余裕がないなと、つくづく思う。
余裕というより、ゆとりとか、潤いといった方が近いかもしれない。

本屋で、ふと目に入った「現代詩手帖」という雑誌を手に取った。
詩の本を手に取るなんて、ずいぶん久しぶりのような気がする。

目次にチラッと目を通しても、
知っている名前はほとんどない。

最近の詩人がどんな詩を書いているのか興味はあったが、
買わずに店を出た。

一昔前だったら、絶対に買っていたと思う。
やはり、ゆとりが欠如しているのかもしれない。

帰宅して、本棚の奥から、一冊の詩集を取り出した。
大宅歩「ある永遠の序奏」(南北社)、読むと元気が出る。

大宅歩は、大宅壮一の一人息子で、
中学時代のラグビーのけががもとで、
常に死の影におびえながら、1966年に33歳で夭折している。


    『ある小さな永遠の序奏のために』 大宅 歩

永遠というさだかな 想いを
いつも 心の波間に 浮かべることのできる
そんな 小っぽけな 詩が
たった一つでもいい 書けたならば
私の人生は ただ それだけのために
どんな 孤独を 味わおうと かまやしないんだ

ひとの世なんて だけど 
そんな幼い祈りに似た 決意だけが
意味のない 永遠を 心に感じさせるんだ
だからこそ 書けもせず うたえもせずに
こうして 今宵も 暗い想いの上に 漂流って
生きながらえて いるのじゃないか

「ほら そこに
 白雲が
 とんでいるよ
 この星の夜空に
 白い花びら
 みたいにね」

こんな 何の変哲もない 自分の ことばを
はるかに くりかえし 凝視めながら
小さく微笑んで 生きてゆくのが
はてしない 永遠の道なんだ
「ねえ、君、
黙って 生きてゆこうよ」


若い頃、落ち込んでいるときに、この詩を読むと、
「そうだな、もう少し生きてみるか」という気になったものだ。

そうさ、人生捨てたもんじゃないぞ。
もう少し生きてみるか・・・

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2006.01.05

恩田陸は直木賞を獲れるか?

第134回芥川賞・直木賞の候補が発表された。

今回、いつになく関心を持っているのは、
昨年来、読みつづけている恩田陸が
直木賞候補に入っているからだ。

直木賞候補は次の通り。

 ▽伊坂幸太郎「死神の精度」(文芸春秋)
 ▽荻原浩「あの日にドライブ」(光文社)
 ▽恩田陸「蒲公英草紙」(集英社)
 ▽恒川光太郎「夜市」(角川書店)
 ▽東野圭吾「容疑者Xの献身」(文芸春秋)
 ▽姫野カオルコ「ハルカ・エイティ」(同)

「蒲公英草紙」は、まだ読んでいないけれど、
獲れればいいなと思っている。発表は17日。

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2005.12.13

瀬戸川宗太「懐かしのアメリカTV映画史」集英社新書

「ブログ普及委員会」の項で、
「結局、あの本は買えたの?」と友人に聞かれた、と書いた。
友人は、そのあと次のように続けたのだ。
「その本なら、新宿・紀伊国屋にたくさんあったぞ」

その言葉を信じて、
先週木曜日の夕方、帰宅とは逆方向の新宿に出向いた。
確かにあったが、たくさんはなかった。
なんとか一冊残っていた(貴重な情報をありがとう)。

当方が期待していた内容とは違っていたが、
それなりに面白く読んだ。
期待したのは、個々の作品の出演者や内容紹介であったが、
本書はTV映画を縦軸とした現代史であった。

ただし巻末に、日米テレビ界の動きと社会情勢を対比した年表や、
タイトル、放映年、出演者を記した索引があって、
資料価値は十分にある。

思い起こせば、我が家にテレビがやってきたのは
小学5年生(1958年)のことであった。

なぜ、はっきり覚えているのかというと、
4年のときに父が死んで、化粧品店を閉じたあと、
翌年、電気屋さんに店を貸した際、
大家さんにとテレビ1台を無料で貸してくれたからだ。
当時はのんびりしていたなあ、とつくづく思う。

それ以前のテレビ体験といえば、
近所の家で「日真名氏飛び出す」を見せてもらったり、
銭湯帰りに父と喫茶店で見たプロレス中継ぐらいだろう。

1958年といえば、わが国では
前年からの「ダイヤル110番」を含め、
「月光仮面」「事件記者」「バス通り裏」と絶好調。

アメリカTV映画では、
57年からの「アニーよ銃をとれ」「ヒッチコック劇場」「マイティ・マウス」「ヘッケルとジャッケル」「名犬ラッシー」や、
58年の「アイバンホー」「ローンレンジャー」「パパは何でも知っている」「モーガン警部」などが懐かしい。

なかでも「ヘッケルとジャッケル」は、結構好きだったな。

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2005.11.30

失敗作に出会う