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2008年11月 4日 (火)

「定年前後の自分革命」 野末陳平

Teinen2 野末陳平 著
講談社(206p)2000.03.01
714円

これは本音の定年本だ。数ある定年本に出てくる「悠々自適」の定年生活はごくまれなケースで、実際には結構悲惨なケースが多い。著者は、身近な友人・知人の例を挙げて、大半の人々は定年後の数年間は何をして良いか分からず、鬱々と過ごしていることを実証する。そして、定年とは「そのあとに続く二十余年の人生を決める節目」だと位置づけ、定年後を快適に過ごすための方法を説く。第1章では「うつ」にならない方 法、第2章では「家族に好かれる家庭での過ごし方」、第3章では「会社人間」からの脱却法を紹介し、第4章、第5章では「自分革命」をして「生まれ変わ る」ことを提案している。

定 年後は「ないないづくし」だと、著者は言う。「眠れない」と傍らにいる奥さんも寝不足で不機嫌になる。「朝起きても行くところがない」し、ちょっと出かけ ると交通費がかさみ、「小遣いが十分にない」「定期券がない」ことが骨身にしみる。人に会っても「肩書がない」ので名刺を出せない。地元の付き合いをおろ そかにしてきたから「遊び仲間が身近にいない」。そして、家でごろごろしていると奥さんに邪険にされて「家庭に居場所がない」。どれも深刻な問題だ。

こうした現実に対処して、快適な生活を送るために、著者は以下のような5カ条を提案している。
 1.妻にないしょで秘密のお金を持つこと。
 2.妻とは別室で寝るくせをつけること。
 3.自分のめしは自分でつくれること。
 4.主夫業を楽しくこなせる男になること。
 5.主役の座を降り、家庭内の脇役に徹すること。

要するに、ある程度の経済的な余裕を持ち、家庭で邪魔者扱いされないためにも、自立して炊事・洗濯ぐらいは自分でできるようにしておこうというのが主眼 になっている。ただし、1の場合は、定年を迎えてからでは間に合わない。現役時代から心して、定年までに最低500万円の自分用の資金を確保しておくべき だと主張する。

サラリーマン生活にドップリ浸かった会社人間には、どれ一つとっても難問ばかりだが、これらを解決しておかないと、現役時代には思いもつかない、ぞっとするような味気ない生活が待っているのだということを本書は教えてくれる。(健)

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