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2016年9月

2016年9月19日 (月)

「黒い本」オルハン・パムク

Kuroi_orhan

オルハン・パムク 著
藤原書店(592p)2016.04.10
3,888円

グーグル・アースでイスタンブールを見る。アジアとヨーロッパにまたがるこの都市のヨーロッパ側、ボスポラス海峡と金角湾の北側に新市街(といっても19世紀の新市街)が広がっている。ニシャンタシュという地名を検索してみる。新市街の中心地、ベイオウル地区やタクシム広場から2キロほど北へ行ったあたりにこの地名がある。広い通りから一本裏へ入ると、ゆるい丘になっているのか、迷路のように曲がりくねった道路の両側にびっしりと茶色い屋根の家が建てこんでいるのが見える。『黒い本』の主人公たちがかつて大家族で住んでいたこのあたりから繁華街のベイオウル、旧市街へ渡るガラタ橋があるカラキョイあたりの路地から路地が本書の舞台になる。

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「帝都東京を中国革命で歩く」 譚 璐美

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譚 璐美 著
白水社(246p)2016.07.26
1,944円

著者は1950年東京生まれ、慶応義塾大学文学部を卒業し、慶應義塾大学文学部訪問教授、ノンフィクション作家として活躍している。父親は中国広東省の出身、革命運動にのめり込み、1927年日本に脱出して早稲田大学の政治経済学部を卒業、日本人を妻として戦後も日本で暮らし続けた人物である。こうした、バックグラウンドを持った著者が辛亥革命前後の中国人たちの学びの場・生活の場としての東京での足跡を辿るとともに、そこで繰り広げられた中国革命にまつわるエピソードや人物像を描いている。

時代は二十世紀初頭(明治後期から大正)に焦点を当てている。そして、中国人留学生たちの主要活動拠点があった早稲田、神楽坂、神保町、本郷、などの地域を示すために、「東京一目新図(明治三十年)」、「東京大地図(明治三十九年)」、「東京市全図(明治四十三年)」、「東京市全図46版(大正十一年)」という、四つの時代の番地入り地図を並べて示すことで時間の変化を楽しみながらの誌上散歩である。

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