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2017年1月

2017年1月17日 (火)

「住友銀行秘史」國重惇史

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國重惇史 著
講談社(472p)2016.10.5
1,944円

「イトマン事件」といえば、戦後最大の経済事件として知られる。バブル末期の1990年代、この時代を象徴するように土地取引と絵画取引を巡って数千億の金が闇に消えた。都市銀行と商社の幹部、バブル紳士、闇世界とつながるフィクサー、政治家が主役脇役として入り乱れ、戦後日本経済の不透明な部分が露出した事件だった。

著者の國重惇史は元住友銀行取締役。この事件は大蔵省への「内部告発」と新聞報道によって明るみに出たが、これらはすべて著者の手で工作されたことがこの本で初めて明かされた。当時の著者のメモをもとに、「住銀の天皇」磯田一郎元会長以下、すべて実名で事件の推移が描かれる。ベストセラーになるのも当然かもしれない。

もっとも評者は経済にも事件にも疎い。専門知識もない。ただの野次馬として、読んで感じたことを記してみることにする。

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「夢みる教養 – 文系女性のための知的生き方史」小平麻衣子

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小平麻衣子 著
河出書房新社(208p)2016.09.13
1,620円

「夢みる教養」というタイトルと「女はいつも文化のお客様」という帯のキャッチコピーが気になって本書を手にした。しかし、それらの柔らかな表現とは裏腹に著者小平の厳しい視点の分析が繰り広げられている。大正から現代に至る期間で、女性が学問を志すことへの制約と男たちの排他的な言説が女性の学問意欲をいかに削いできたかを示し、その結果女性にとって「教養=実現しない夢」となってしまってきた歴史を緻密に描き出している。小平は昭和43年(1968年)生れ、慶應大学文学部に学び、現在同校文学部教授。近代文学におけるジェンダーについての研究をしてきたので、本書はまさに彼女の専門のど真ん中と言える。

小平は「教養」とは、深い知識を前提とした物事に対する理解力や創造力であり、古今東西の文学・宗教・哲学などの幅広い読書を通して、自己の人格を高めることとしている。しかし、「役に立たないが生活を豊かにする知識」とか「だれでも知っているべき一般常識」といった混沌とした「教養」の概念がまん延していることを証左として、それぞれの時代に求められてきた女性像に対応して、都合良く使われて来た言葉であったことを指摘している。同時に、「NHKの朝ドラ」で知的女性たちの人生を成功とか進歩という表現でドラマが作られていることに批判的な目を向けている。それは、少数の成功者を語ることで、一般の女性たちの苦労が隠され、解決すべき問題が明らかにならなくなってしまうという主張である。

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