« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »

2018年4月

2018年4月18日 (水)

「日本軍兵士」吉田 裕

Nihongun_yoshida

吉田 裕 著
中公新書(230p)2017.12.25
886円

国有地が確たる理由なしに8億円値引きされた森友学園問題で、当事者である財務省が作成した決裁文書が大量に改竄されていたことが発覚した。決裁文書は行政府が法に則って意思決定をし、決裁権者がそれを承認したことを記録するもの。これをきちんと保管することで後から意思決定の過程を追跡できる一次資料だ。その決裁文書を改竄したり隠蔽したりする行為は、いわば歴史を偽造するに等しい。今回は総理大臣とその妻の存在が、直接にか間接にか影響を与えて公正な法の執行を歪めた疑いが濃い。

と、この本を読みながら森友問題を思い出したのは、どうもこの国は昔から同じようなことやってるなあと感じたから。というのも、軍民合わせて310万人の犠牲者を出した第二次世界大戦の死者に関して、「包括的な統計がほとんど残されていない」というのだ。日本政府は、なぜか年次別の戦没者数を発表していない。戦争末期の混乱はあったにせよ、戦後ずっと厚労省が戦没者の調査を進めているのだから、その時々での数字を確定させることはできるはず。それがされていないことは、そこになんらかの意図があるのではないかと疑ってしまう。

続きを読む "「日本軍兵士」吉田 裕"

| | コメント (0)

「思えば、孤独は美しい」糸井重里

Omoeba_itoi

糸井重里 著
ほぼ日(289p)2017.12.05
1,728円

糸井重里の名前は1970年代末にコマーシャルのコピーやテレビの番組司会で知ったと思う。彼に対する印象は新鮮な才能とか時代を先取りする感性もさりながら、消費者を「煽る」という印象を持っていたことは否めない。その頃、ITが社会インフラとしてその重要さを増していった時代で、最先端の技術という耳障りの良い言葉とは裏腹に、ドロドロした地道な努力でオンラインシステムを開発し、日々の稼働に翻弄されていた。そうした高度成長期に働きづめだった人間の目には、彼のように颯爽とメディアに露出して「言葉」で禄を食む新しい才能に対し、やや斜に構えて見ていたということかもしれない。
 
その糸井は仕事の幅を広げると言う意味もあってか、1989年に「ほぼ日刊イトイ新聞」というウェブ・サイトを開始している。このサイトに毎日掲載している文章をベースとして本書は構成されているのだが収められているのは、長い文章もあれば、キャッチ・コピー的な短文、箴言、警句が並んでいる一方、愛犬の写真があったりとなかなかバラエティーに富んだ内容である。

続きを読む "「思えば、孤独は美しい」糸井重里"

| | コメント (0)

« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »