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2018年7月

2018年7月24日 (火)

「はじめての沖縄」岸 政彦

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岸 政彦 著
新曜社(256p)2018.05.05
1,404円

「中学生以上すべての人に。」とキャッチコピーのついた「よりみちパン!セ」シリーズの、久しぶりの新刊。以前、このシリーズから小熊英二『日本という国』をブック・ナビで取りあげたことがある。この国が抱えるさまざまな問題の本質を、中学生でも理解できるよう、コンパクトかつやさしく語ろうという編集者の意図はよくわかる。

岸政彦という名前は『断片的なものの社会学』(朝日出版社)ではじめて知った。社会学者の岸がいろんな聞き取り(インタビュー)をして、研究者としての解釈や理解をすり抜けてしまうが心に残るささいなエピソードややりとり、その「断片」をつなげながら、でも世界はそんな断片からできていることを知らせてくれる本だった。若い世代(といっても1967年生まれ)の書き手が出てきてるなあと実感させられた。そのスタイルは、『はじめての沖縄』にも受け継がれている。

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「トレイルズ 『道』と歩くことの哲学」ロバート・ムーア

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ロバート・ムーア 著
A&E Books(376p)2018.01.25
2,376円

アメリカ東部のアパラチア山脈に沿ってアパラチアン・トレイルズという長距離自然歩道がある。本書はメイン州からジョージア州までの3500kmというこの道を5カ月かけて歩いた紀行文であると同時に、小さな細胞からゾウの群れまであらゆるサイズの生き物が「トレイル・道」を拠り所にして生きている実態や、人類が積み上げてきた「道」に関する歴史と将来を考察している。こうした幅広い視点をカバーしているため、読み手からすると話の飛躍と変化についていく努力が求められているのも事実。私は「旧街道歩き」を趣味にしているので、歩くことの楽しみは自分なりの理解をしているつもりであるが、「あなたは何故、歩くのか」という著者からの問いかけに応答しながらの読書となった。

本書は人間以外の生物のトレイルと人類が作り上げてきたトレイルの二つの視点から構成されていて、自ら歩き、体験した記録と多様な学術的成果を織り交ぜながらエピソードを紹介している。

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