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2018年10月

2018年10月22日 (月)

「沖縄アンダーグラウンド」藤井誠二

Okinawa_hujii

藤井誠二 著
講談社(352p)2018.9.4
2000円+税

書店で新刊書を眺めていると、あるひとつのキーワードから次々に同系列の本がアンテナに引っかかってくることがある。今年の夏のキーワードは「沖縄」だった。

きっかけは岸政彦『はじめての沖縄』(7月にブック・ナビで紹介)を読んだこと。岸の本は以前に『断片的なものの社会学』を読んでいて、徹底した聞き取り調査と柔軟な思考に、若い研究者(実はそう若くないのだが)の書くものとして久しぶりに興奮した。同時に岸が沖縄に通い本土と異なる沖縄の戦後史について聞き取り調査を長年つづけていることを知った。そんなところから次にアンテナに引っかかってきたのが、沖縄の戦後史をエンタテインメント小説に仕立てた真藤順丈『宝島』だった(8月にブック・ナビで紹介)。

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「じーじ、65歳で保育士になったよ」高田勇紀夫

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高田勇紀夫 著
幻冬舎(306p)2018.08.30
1,404円

著者はIT業界という育児とは無縁の職場で定年まで活躍し、退職後に待機児童の問題を目の当たりにして65歳から保育士として働くことを決意したという。保育士の資格取得から、保育士としての体験とそこから得られた保育に関する提言を一冊にしたもの。

保育士の仕事の内容も、国家資格であることさえも知らなかったシニア男子が典型的な女性の職場に適応できるのかといった不安もかかえつつ「保育士になる」と決断させたのは、問題解決の一助として貢献したいという一念だったと著者は語っている。少子化や待機児童に関していろいろな立場の人達から問題提起がなされてきたし、ニュースにもなってきた。それに伴い、政府施策が華々しく発表されたものの、結果として問題解決に至ったという感覚はあまりない。そうした中で、問題を声高に語るだけでなく、保育士としての貢献だけに満足せず、課題を探り提言するという一連の活動は著者の意志の強さを感じる。

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