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2019年2月

2019年2月26日 (火)

Toukaidou_ikeuchi

池内 紀 著
春秋社(352p)2019.01.07
2,160円

本書は歌川広重の「東海道五十三次」に表現されている宿場の風景を読み解きつつ、生活、文化、社会など、街道にまつわる文化をまとめたもの。従って、タイトルの「ふたり」とは著者池内自身と広重ということになるのだが、読み進んでいくと、もっと巾広く浮世絵に登場する旅人たちを含めて「一人ではない」という意味の様にも思えてくる。

広重の浮世絵に描き込まれている人物や風景に対する著者の繊細な視線は、驚くばかりに図柄の細部を掘り下げている。広重の東海道五十三次を「鑑賞」するのではなく、虫眼鏡で「観察」したと言っている様に、その緻密さは圧倒的だ。これに、著者の旧東海道と宿場を旅した体験と街道の成り立ちといった歴史的知識が加わる事で、江戸から京都までの五十三次の中から三十七宿と日本橋と三条大橋を題材として、当時の文化を紡ぎ出すという旅の一冊になっている。この東海道の旅は、日本橋発のいわゆる「京のぼり」の旅である。

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