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捏造の科学者/ねじれた文字、ねじれた路、USAカニバケツ/年収300万円時代を生き抜く経済学

2015年2月17日 (火)

「捏造の科学者」須田桃子

Netuzou_suda

須田桃子 著
文藝春秋(383p)2015.01.07
1,728円

振り返ってみれば、2014年という年は「STAP細胞」から始まったと言える程、1月のあの記者会見は華々しく・センセーショナルに報道された。しかし、わずか一年間で画像の疑義や捏造の指摘・ネイチャー論文の撤回・論文共著者である笹井氏の自殺・理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)解体提言・STAP現象は再現出来ず検証チームの打ち切り等、あっという間の事態の推移に一般人の科学に対する信頼は大きく揺らいだと言ってよい。本書は、毎日新聞科学環境部の記者である須田桃子によって書かれたもので、同紙で生命科学やノーベル賞などの領域を担当し、「STAP細胞事件」でも発表記者会見当初から記事を書いて来た。そうした取材実績をベースに、笹井氏や若山氏をはじめとしたCDB関係のキーマン達への取材やメールでのやり取り、一連の記者会見などの状況等を紹介しつつ時系列に事件を描写している。それは同時に科学ジャーナリスト須田桃子が自らのSTAP細胞報道に対しての反省も含めた検証作業をしているかのように本書を読んだ。

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2011年11月12日 (土)

「ねじれた文字、ねじれた路」トム・フランクリン、「USAカニバケツ」町山智浩

Nejire

トム・フランクリン 著
早川ポケット・ミステリ(360p)2011.09.15
1,785円



Kani

町山智浩 著
ちくま文庫(352p)2011.10.10
756円

この2冊を書店のレジへ持っていったとき、まさか一緒に並べて本の感想を書くことになるとは思わなかった。一方はミステリー、一方は「超大国の三面記事的真実」とサブタイトルの打たれたエッセイ集。ミステリーのほうはbook-naviで取り上げる候補にと考えていたけど、「カニバケツ」は以前から著者・町山智浩のブログを愛読していたので、ちょっとしたお楽しみに買ったのだ。それがつながってしまったのですね。共通項はアメリカ南部。

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2008年11月 5日 (水)

「年収300万円時代を生き抜く経済学」 森永卓郎

Nensyu 森永卓郎著
光文社(208p)2003.02.25

1,470円

「改革なくして成長なし」という小泉首相の「改革」がなったとして、その後にやってくるのは、具体的にどのような社会なのか。かつての高度成長やバブルの夢の再来はあるのか。その答えを明らかにしようとしたのが、この本である。ここに描かれた悲観的ともいえる答えが正しいのかどうか、僕にはわからない。いや、専門家にだって本当のところはわからないだろう。ただ、このような答えもありうること、そしてそれがリアリティーをもって僕たちに迫ってくることも確かだ。

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