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「能率」の共同体/脳はなぜ都合よく記憶するのか/ノモンハン戦争/のりたまと煙突/脳の老化と病気

2017年5月17日 (水)

「『能率』の共同体」 新倉貴仁

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新倉貴仁 著
岩波書店(352p)2017.02.18
3,564円

本書は第一次大戦後(1920年代)から戦後高度成長期(1970年代はじめ)までの約半世紀に亘る、日本の文化ナショナリズムの変化を「能率」という概念を補助線にして説明しようという試みである。第二次大戦を挟むこの時代は社会の仕組、国民の意識、天皇制、家族観などが一挙に変わった時代というのが一般的理解と思う。だからこそ、この半世紀の間でどんな視点であれ連続するという見方に興味を覚えて本書を手にした。

著者は「文化」のナショナリズムを構成するものとして三つの視点を提起している。第一が、近代日本における人口の増加(1920年から1970年で約2倍)と農村から都市への人口移動にともなって発生した格差を「農村と都市の二重構造」について語っている。第二の点は産業化や都市化を背景として社会の大多数を構成するミドルクラスの形成を取り上げている。第三として、産業技術の進歩と能率についてか検討している。

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2017年3月18日 (土)

「脳はなぜ都合よく記憶するのか」 ジュリア・ショウ

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ジュリア・ショウ 著
講談社(306p)2016.12.14
1,944円

年齢のせいか記憶という言葉に敏感になってきた。物忘れも加齢の結果と割り切ることにしているものの思い出せないイライラ感がないわけではない。本書は「朝起きたら、自分でしてきたこと、学んだことなどを何ひとつ覚えていなかったらどうだろう。それでも、この人物はあなたなのか」との問いかけから始まる。著者は「過誤記憶(記憶エラー)」という脳心理学の領域の数少ない研究者。人の記憶については近年多様な視点からの研究が行われていて新しい発見も多いといわれている。それらの多くは人の記憶の不完全さを明らかにしてきているのだが、そうした成果をもとに冤罪の危機にあった多くの犯罪容疑者たちを救う活動をしてきた実績を持つ人である。

イノセンス・プロジェクトという冤罪を無くすことを目的とした団体は、DNA鑑定を利用して337名の容疑者を釈放させたが、驚くべきことにこの釈放された容疑者の内75%は「誤った記憶」による証言が有罪の根拠とされていたという。この数字は米国におけるDNA鑑定が可能であった事件だけに限られているということを考えると、世界でどれだけの曖昧な記憶による証言で罪を負っている人が居るかは想像に難くない。こうした状況に対する科学からの問題提起である。

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2009年9月 4日 (金)

「ノモンハン戦争」田中克彦

Nomonhan 田中克彦
岩波新書
248p2008.06.19
819
 

 「ノモンハン戦争」というのは、僕らが普段「ノモンハン事件」と呼出来事を指している。 1939年夏、満洲国とモンゴル人民共和国の国境地帯で日本軍とソ連軍が4カ月にわたって激突し、それぞれに2万人前後の死者・行方不明者を出した。 この出来事はロシア(ソ連)側では「ハルハ河の勝利」とか「ハルハ河の会戦」と呼ばれている。大量の戦車と航空機が出動し、両軍で4の死者・行方不明者を出した長期の戦闘は「事件」や「会戦」というより「戦争」と呼ぶにふさわしいけれど、日本もロシアもそう呼ばないのは宣戦布告なしに戦われた「非公式」の戦争だからだ。

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2008年11月11日 (火)

「のりたまと煙突」 星野博美

Noritama 星野博美著
文藝春秋(328p)2006.05.15

1,850円

「のりたまと煙突」という懐かしい語感の、でもつながりがよくわからない言葉を重ねたタイトルから、人はどんな内容の本を想像するんだろう。「のりたま」と言えば、ふつうはのり巻きと玉子の寿司か、あるいは弁当。ひょっとしたらふりかけを思い浮かべる人もいるかもしれない。いずれにしろ食べ物を連想させるわけで、それが「煙突」とどう関係するの?

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2008年11月 4日 (火)

「脳の老化と病気」小川紀雄

Nou 小川紀雄著
講談社(236p)99.02.20
924 円

ブルーバックスは手軽な科学本として、手にもとりやすく、中には事典形式の厚手のものはごめんこうむりたいが、ハードカバーに劣らない内容で重宝している。何よりも校訂がしっかりしていること。安直本はほとんど無い。時折、科学の現況が気になる文科系の者には数式もあまりなくて安心できる。

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