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ブラッド・メリディアン/ブラッサイ パリの越境者/PLUTO プルートウ/不良定年/封印される不平等/仏教が好き!/ブッシュの戦争/フィルムノワールの時代

2010年3月 7日 (日)

「ブラッド・メリディアン」コーマック・マッカーシー

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コーマック・マッカーシー 著
早川書房(436p)2009.12.25
2,310円

この人の小説を読むのは2冊目。最初に読んだのはニューヨークに滞在していた2年前で、『血と暴力の国』(扶桑社ミステリー)というやつだった。評判になったコーエン兄弟の映画『ノー・カントリー』の原作といえば、ああ、あれかと思う人もいるだろう。ヴィレッジの映画館でこの映画を見たとき、主演したトミー・リー・ジョーンズはじめ登場人物が激しいテキサス訛りの英語をしゃべっていて、ちっとも聞き取れなかった。アクション映画だから、アクションを追うことでストーリーはある程度理解できるけれど、大事なことをセリフでしゃべられるととたんに分からなくなる。映画のラスト近く、殺し屋がある女性を殺したのかどうか、コーエン兄弟らしくくどくど説明しないから、肝心なところが分からない。そんなことをブログで書いたら、僕の英語の実力のほどを知る友人が翻訳を日本から送ってくれたのだった。

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2008年11月12日 (水)

「ブラッサイ パリの越境者」 今橋映子

Bura 今橋映子著
白水社(410p)2007.03.15

4,725円

写真家のブラッサイといえば、1930年代パリの夜景や夜の街にうごめく人々を撮った『夜のパリ』(1933)があまりにも有名だ。もっとも、戦前に少部数で出版されたこの写真集を日本で見る機会はなかなかなかった。戦後の1970年代になって、『夜のパリ』に収められた作品を含めて 「パリ写真」を再構成し、さらにブラッサイ自身の文章を加えた『未知のパリ、深夜のパリ』(1976)が刊行、翻訳されている。

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2008年11月11日 (火)

「PLUTO プルートウ」第1~3巻 浦沢直樹×手塚治虫

Pluto 浦沢直樹×手塚治虫 著
小学館 2006.05.01(第3巻)
各巻550円

第1巻の最終ページでアトムが登場する。第2巻の最終ページでウランちゃんが顔を見せる。そして最新刊の第3巻最終ページで、このマンガの主人公プルートウがはじめて姿を現す。だから物語はまだ始まったばかりなんだけど、去年、早々と手塚治虫賞マンガ大賞をもらってしまった。『PLUTO』の原作が鉄腕アトムであることを考える と、あまりに早い受賞には首をかしげたくもなるけれど、浦沢直樹には手塚マンガを下敷きにした傑作『MONSTER』(これも手塚賞受賞)という実績もあ り、それだけ期待が高いってことだろう。

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2008年11月 9日 (日)

「不良定年」 嵐山光三郎

Huryo 嵐山光三郎著
新講社(240p)2005.02.10

1,500円

8年前に嵐山光三郎が書いた本に『「不良中年」は楽しい』(講談社)がある。当時、嵐山は55歳。彼が人生の師と仰ぐ色川武大=阿佐田哲也が、「50歳になったら何をやってもよい」と書いたのを受けて(色川の場合、それ以前だって放蕩無頼の人生だったように見えるけど)、中年よ不良化しよう! という魅力的なメッセージだった。

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2008年11月 8日 (土)

「封印される不平等」 橘木俊詔

Huuin 橘木俊詔編著
東洋経済新報社(234p)2004.07.29

1,890円

最初の1行には、「日本の平等神話は崩壊している」とある。かつて日本は、「先進諸国で貧富の差がいちばん少ない国」とか「世界でもっとも成功した社会主義国」とか言われてきた。でも、そういう言い方が過去のものであることは、この10年、誰もが肌身に沁みて感じている。この本は、目の前で進行する格差の拡大にたいして積極的に発言してきた4人の論者――橘木俊詔(経済学)、刈谷剛彦(教育学)、斉藤貴男(ジャーナリスト)、佐藤俊樹(社会学)――による座談会と、それを受けた橘木の論によって構成されている。

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2008年11月 6日 (木)

「仏教が好き!」 河合隼雄・中沢新一

Bukkyou 河合隼雄・中沢新一著
朝日新聞社(264p)2003.08.30

1,470円

仏教がブームになっている。これまでは専門書か人生論ふうな説法しか書店になかったのに、ふつうの読者向けの仏 教本がベストセラーになり、週刊誌形式の仏教読本が出版されている。年に30万人のお遍路さんが四国八十八カ所をめぐり、瀬戸内寂聴の法話に観光バス数十 台を連ねた善男善女(実体はおばちゃん)がつめかける。誰もが不安をかかえている。その時代的背景についてはいろんなことが言えるだろうけれど、要するにいま、みんなが「癒し」という言葉に象徴される手軽で簡単な「救い」を求めている。そのひとつの現れだといえばいいのか。

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「ブッシュの戦争」 ボブ・ウッドワード

Bush ボブ・ウッドワード著
日本経済新聞社(486p)2003.02.24

2,310円

帝国アメリカによるイラク攻撃がいよいよ最終局面に入ろうとしているこの時期に、この本を読めるとは、なんとい う読書体験なのだろうか。従軍記者の小型カメラを通じて、銃弾が飛び交う最前線の映像をリアルタイムで見ているという日々が、僕らにとって初めての経験だ というのとはまた別の意味で、このような読書も初めての体験だった。

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2008年11月 4日 (火)

「フィルムノワールの時代」 新井達夫

Film 新井達夫著
鳥影社(256p)2002.07.25

2,310円

僕は人並み以上の映画ファンのつもりだけれども、映画についてのエッセー、映画評論というやつを読む習慣をず いぶん昔になくしてしまった。今でもときどき読むのは、監督やキャメラマン自身が書いたり語ったり、あるいはフィルモグラフィーや関係者のインタビューで 編まれたりの、作り手や映画に寄り添った本で、たとえば数年前に出た『映画監督・増村保造の世界』(ワイズ出版)など抜群の出来ばえだった。

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