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ポリティコン(上・下)/ホーチミン・ルート従軍記/崩御と即位/堀田善衛 上海日記/香港映画の街角/本人の人々/僕とライカ/骨の健康学

2011年4月11日 (月)

「ポリティコン(上・下)」桐野夏生

Poli

桐野夏生 著
文藝春秋(上448p・下416p)2011.02.15
各1,650円

まず断っておきたいのですが、この記事はいわゆるネタバレです。ただしそのネタバレが的を射ているのかどうかは、僕にも分かりません。いずれにしても、これから桐野ワールドに浸りたいと思っておられる方は、小説を読んでからもう一度、ここへ戻ってこられることをお勧めします。と前振りしておいて、まずはそのネタバレから。『ポリティコン』は、桐野夏生の小説には珍しい「ボーイ・ミーツ・ガール」なのだった。そのことが、800ページ以上あるこの小説の最終ページまで読んできて分かった。……と、言ったそばから弱気になるのだが、この見方に同意してくれる人はいないかもしれないなあ。これはどこから見ても普通の「ボーイ・ミーツ・ガール」の青春小説じゃないし、読み終えて感動の涙を流すこともないからなあ。

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2009年5月 7日 (木)

「ホーチミン・ルート従軍記」レ・カオ・ダイ

Hochimin レ・カオ・ダイ著
岩波書店(386p)2009.04
2,940円

本書(2009417日発行)を手にしたすぐ後に、評者はベトナムの公的機関から表彰を受けるためベトナム・ハノイに出張した。フランス占領時代に建設された立派なオペラハウスで式典が挙行され、国家の重鎮も顔をそろえ、その模様はTVで生中継されていた。そうした晴れがましいイベントに身をおきながら、ハノイの中心部に居るということもあり、北爆やベトナム戦争の多くの情景がどうしてもフラッシュバックしてしまう。目の前で繰り広げられている華やかさとの40年前の感覚とのギャップに戸惑うばかりであった。

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2009年4月 2日 (木)

「崩御と即位」保阪正康

Hougyo保阪正康著
新潮社 364p2009.01
1,890円
 

この数年間に限っても、天皇制および天皇家についていくつかの議論がなされてきた。女性天皇の是非、靖国神社の合祀問題、人格否定問題などであった。しかし、内容の賛否に関わらず、議論の過程においても「象徴」を対象とするが故の踏み込みの甘さが如実に明らかになったし、議論のプロセス自体も曖昧さが目立った状況といえるのではないか。本書は保阪が近代日本史を検証するという視点で「天皇と時代」というキーワードを掲げ、その核心は先帝の「死」と皇位継承者(皇太子)の「天皇への就任」という事象にあるとの思いで書かれたもの。対象としている時代は孝明天皇の崩御から、明治天皇・大正天皇・昭和天皇・今上天皇の即位という範囲である。

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2008年12月26日 (金)

「堀田善衛 上海日記」紅野謙介

Hotta 紅野謙介編
集英社 (440p)2008.11.05
2,415円

横浜山手「港の見える丘公園」の緑に埋もれるように神奈川近代文学館はあるが、そこで本年(2008年)10月から堀田善衛展が開催された。目玉のひとつが本書のベースとなった未発表の日記である。第二次大戦の終結前後の19ヶ月間、堀田は上海に滞在し、日本にとっての敗戦、中国にとっての解放という異常事態の真っ只中で日記を書き綴っていた。堀田は戦後上海や中国に係わる作品を数多く発表しているが、特に、1959年に出版された「上海にて」に描かれている多くのプロットはこの日記の中にあることが分かる。日記と推敲された文章の違いは大きいが、日々の断片的な思いである日記からは推敲された文章とは違った意味のパワーを感じるものである。

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2008年11月 9日 (日)

「香港映画の街角」 野崎 歓

Honkon 野崎 歓著
青土社(336p)2005.02.25

2,730円

『インファナルアフェア』を見て以降、香港映画を見ることが多くなった。「香港ノワール」と称される香港の犯罪映画、黒(ヤクザ)社会と警察組織を素材にした映画は、かつてチョウ・ユンファが主演した『男たちの挽歌』シリーズ が大ヒットして人気を集めた。でもシリーズの監督、ジョン・ウーらがハリウッドに去り、香港の中国返還などもあって製作本数やヒット作も減り、ノワールだ けでなく映画界全体が沈滞期に入ったと言われてきた。

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2008年11月 6日 (木)

「本人の人々」南 伸坊

Honnin 南 伸坊著
マガジンハウス(156p)2003.11.20

880円

「ひ との身になって考えることを実践してみた」。これを「本人術」と称する本書は、我々が普段考えている「本人」という思いを揺るがすパワーがある。70名 (正しくは69名と一匹)を対象に南がその人物に扮する写真と各々に添えられた短文で構成されているのだが、思わず笑ってしまうものや、まったく似ておら ずいかがなものかと考えさせられるもの等なかなか楽しめる。

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「僕とライカ」 木村伊兵衛

Boku 木村伊兵衛著
朝日新聞社(188p)2003.05.30

2,100円

木村伊兵衛、ライカを持つ姿は下町のカメラ好きのオジサンそのものの風貌、いい人なんだろうなと思う。戦前・戦中・戦後と活躍してきた木村の代表作品とエッセイをまとめたこの本は遅れてきたカメラ小僧の私には勉強になる一冊だ。紙芝居に群がる子供たちを木漏れ日の中に撮った写真を表紙の上半分に配し、下半分の余白には黒のタイトルがキリリと占めて、ページをめくる期待をゆっくりと醸成する。そんなシャレタ装丁の本である。

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2008年11月 4日 (火)

「骨の健康学」 林 泰史

Hone 林 泰史 著
岩波書店 新書 (243p)1999.06.21
735円

骨粗鬆症という言葉が市民権を得て以来、骨への関心は加齢学と共にますます強くなっている。これは時宜を得た書、科学としての骨の働きと、一般人が留意すべき点を的確に教えてくれる。全7章立て、順を追い、また重要点は繰り返され、学習に容易な構成。

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