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森の探偵/もどれない故郷ながどろ/もっと地雷を踏む勇気/もういちど読む山川日本史/物は言いよう/悶絶!! マル怪ブックフェア

2017年9月20日 (水)

「森の探偵」宮崎学・小原真史(文・構成)

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宮崎学・小原真史 著
亜紀書房(336p)2017.07.06
1,944円

動物写真家と紹介されることの多い宮崎学だが、彼の撮る写真は普通の人が考える動物写真のイメージから、ずいぶんはずれている。

いま手元に、宮崎の特徴をよく表した2冊の写真集がある。『死』(平凡社)は、森のなかで見つけたニホンカモシカやタヌキなど野生動物の死骸を定点観測したもの。ニホンカモシカの死骸をまずシデムシやハエがかぎつけ、卵を産んでウジが体内に入り、タヌキやネズミ、モモンガ、コマドリがやってきて死肉を食い、体毛をもっていき、やがて白骨になって落葉のなかに埋もれる様子を数カ月にわたって撮影したものだ。

『アニマル黙示録』(講談社)は、文明社会との接点に住む野生動物を追ったもの。盛り場をねぐらにするドブネズミ。どぶ川に住むティラピア。洗剤のキャップを宿にしたヤドカリ。行楽地の残飯をあさるニホンザル。野生化して東京の空を飛ぶインコ。ゴミ焼却場のゴミを餌にするキツネの家族。キャンプ場のゴミ捨て場に現れるツキノワグマ。ブラジャーやティッシュで巣をつくるトビ……。

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2016年5月18日 (水)

「もどれない故郷ながどろ」長泥記録編集委員会編

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長泥記録編集委員会 編
芙蓉書房出版(392p)2016.3.5
2400円+税

福島県相馬郡飯舘村長泥地区は福島第一原発の事故で放出された放射性物質に汚染され、帰還困難区域に指定された。長泥に住む74世帯281人が避難して5年たつ。この本は、村民が持っていた写真や50人以上の村民への聞き書きによって、「もどれない故郷」への思いをつづり、生活の記録を後世に残すために研究者や自治体職員、ジャーナリストの協力を得てつくられたものだ。

原発事故から10日後の写真が収録されている。長泥地区の中心である長泥十字路で、白装束に身を固めた測定員と普段着の村民が話をしている。このとき長泥は避難が必要となるほどに汚染されていたが、村民は何も知らされず普段どおりの生活をしていた。

「十文字でしゃべってると、白装束来るんだよね。こっちは普段着でいるんだよ。ホースを後ろのトランクから出しては測ってるんだ、線量な。『なんなの、あんたらは、そんな服着て!』って言った」(引用は適宜省略した。以下同じ)

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2012年11月12日 (月)

「もっと地雷を踏む勇気」小田嶋 隆

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小田嶋 隆 著
技術評論社(280p)2012.09.25

1,545円

本書はWEBマガジンである「日経ビジネスオンライン」に連載されている週刊コラム「ア・ピース・オブ警句」をまとめたもの。事実関係の誤りの訂正以外は加筆していないとのことなので、もともとのWEBマガジンの読者が、あえて本書を手にすることは少ないのではないか。また、評者のように、それなりに情報化の中で生きてはいるものの紙文化にかなり依存し、どうしても紙で読む比率が高いという人も多い。違った目線でこのコラムを読む訳だから、WEB上の読者と本書の読者との間で内容の評価や売上についてどんな違いが出てくるかも興味深いところ。

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2009年10月 9日 (金)

「もういちど読む山川日本史」五味文彦、鳥海靖

Yamakawa五味文彦、鳥海靖   
山川出版社354 p 2009.09
1,575  

高校時代の日本史といえば、教科書は山川の「詳細日本史」問題集は昇龍堂の日本史難問集だった先日ねぼけまなこ朝刊を見ていると本書の広告が掲載されていた。「再発見 高校教科書、高校の教科書を一般読者のために書き改めた通史。日々変化する現代の日本をとらえ、ニュースの背景がわかる社会人のための教科書」とある。懐かしさもあり早速購入しようとしたら売り切れ。失礼ながら売り切れるような本ではないと思っていたので驚きである。3週間ほどたって入手したところ早くも第二こうした本が売れるという「受験戦争の真っ只中にいた団塊の世代がだんだんと仕事を終えて、もう一度若い頃の教科書に戻ってくる」という出版社の企画にまんまと嵌まってしまった結果のようでちょっと悔しい

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2008年11月 8日 (土)

「物は言いよう」 斎藤美奈子

Mono 斎藤美奈子
平凡社(336p)2004.11.09

1,680円

いま、斎藤美奈子ほどに痛快な文章を書く物書きはいない。この場合の痛快の「痛」とは自分流に解釈すれば、彼女 の文章が的の中心を正確に射抜いているということ。だから誰かさんを俎上に載せている場合には、その相手にとってなんとも「痛」い。「快」は、その文章が 読む者にとって喝采したくなるようなエンタテインメントに仕立てられているということ。斎藤美奈子はここで、FC(フェミコード)というキーワードを提案している。FCとは、「性や性別にまつわる『あきらかにおかしな言動』『おかしいかもしれない言動』に対するイエローカード」のことだ。

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2008年11月 4日 (火)

「悶絶!! マル怪ブックフェア」 好奇心ブック

Monzetsu 好奇心ブック
双葉社(190p)1998.06.20
838円

悪趣味本の総ざらい
いささか手に取り難かった好奇心ブックシリーズだが、最近はアンソロジー本の態をとりながら本体の週刊大衆の好調の反映か腰が入ってきた。このムックも平積みされた一冊。
ト(とんでもない)本は、1995年に主として科学マガイ本の罵倒からはじまったが、このたぐいは地方出版筋には昔から定本モノ、ジャンルを形成してか らも、名指された科学者からの反論モノやそのまた反論など一時は百家争鳴、侃侃諤諤といった状況だったが、その後、一般アヤシ本にまでくくりが広がった。

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