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列島創世記:日本の歴史/歴代首相の言語力を診断する

2008年11月12日 (水)

「列島創世記:日本の歴史」 松本武彦

Rettou 松本武彦著
小学館(370p)2007.11.09

1,995円

記紀に代表される文献資料をまったく引用せずに、日本列島の旧石器時代から5世紀の古墳時代までの歴史を記述す ることは可能なのだろうか。旧石器から縄文までについてはいままでの歴史書も当然のことながら物質資料だけに基づいて作られてきた。しかし、弥生から古墳 時代までをも網羅するとなるとこうしたアプローチは新しい試みである。日本列島史を語るとき、物質資料だけに頼る「旧石器から縄文まで」の方法論と、物質資料と文字記録を併用したり、文字記録の足りない部分を物質資料で補っ たりする「弥生から古墳時代」の方法論には明らかに違いがあった。本書で、一貫して物質資料の分析と解釈で一人の人間が四万年を描くのは「能力の限界ぎり ぎりに奮迅する大仕事」と著者自らが言っているのももっともだと思う。そうした仕事に当っての考え方を三つ挙げている。

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2008年11月 4日 (火)

「歴代首相の言語力を診断する」 東 照二

Rekidai 東 照二著
研究社(216P) 2002.7

1,470円

東条英機から小泉純一郎まで歴代41名の首相の演説・答弁の特性を分析している。マックス・ウエーバーによると、政治家の資質とは「責任感・情熱・洞察力」の三点と言っているが、加えてコミュニケーション能力、すなわち「言語力」が必要というのが著者の主張。政治家の政策・思想に関する本は多く出版されている。一方、言語学の観点から政治家の使う言葉を分析したものは皆無だった。言語力が必要なのは政治家に限らず全ての社会人に要求されているものであるところにこの手の本が出版される素地があるのだろう。

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